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水いぼ

水いぼ(伝染性軟属腫)

水いぼは、特に小さなお子様に多く見られる、小さいポツポツができるウィルス性のいぼの一つです。医学的には伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)と呼ばれています。

名前に水とついていますが、中に水が入っているわけではありません。表面がツヤツヤして水滴のように見えることからこの名がついたそうです。プールが始まる季節などに見受けられることが多く、「このポツポツは放っておいて大丈夫?」「他の子に移るかしら?」と心配される親御さんもたくさんいらっしゃいます。

水いぼ自体は、命に関わるような怖い病気ではありません。しかし、搔き壊して放置すると細菌が入って腫れてしまったり、周りに広がってしまったりすることがあります。

 

水いぼの症状について

水いぼには、他のいぼとは少し違う独特の見た目や特徴があります。

 

特徴的な見た目(形と色)

水いぼの大きさは、直径1ミリメートルから数ミリメートル程度(小さなビーズくらい)のポツポツです。

 ツヤのある盛り上がり: 皮膚の表面に、丸くぷっくりとしたドーム状の盛り上がりができます。表面はツヤツヤしており、やや透明感があるのが特徴です。

 中央のくぼみ :少し大きくなると、いぼの真ん中がおへそのように少しへこんで見えるようになります。これが水いぼを見分ける大きなポイントとなります。

 白い芯 :いぼの中には、白い塊が詰まっています。これはウイルスの塊とウイルスによって変化した皮膚の細胞です。

 

できやすい場所

体中のどこにでもできますが、こすれやすい場所によく見受けられます。

 わきの下、お腹や背中、胸のまわり、太ももの内側、肘や膝の裏側

 

自覚症状(かゆみや痛み)

基本的に、水いぼそのものに強い痛みやかゆみはありません。 しかし皮膚が乾燥していたり、アトピー性皮膚炎があったりすると、その周囲にかゆみを感じることがあります。子どもが乾燥や湿疹によるかゆみで肌をボリボリとかきむしってしまうと、水いぼが破れて中身が飛び散り、一気に別の場所へ広がってしまう原因になります。

 

水いぼの原因について

水いぼが発生する原因は、明確なウイルスの感染によるものです。なぜ移るのか、どのような人がかかりやすいのかを詳しく見ていきましょう。

原因は?

水いぼの原因は、ポックスウイルス科に属する「伝染性軟属腫ウイルス(でんせんせいなんぞくしゅウイルス)」というウイルスです。このウイルスが表皮に入り込むことで、皮膚の細胞が異常に増殖し、あの独特のぷっくりとしたいぼを作ります。

感染ルート

水いぼは、主に接触感染(せっしょくかんせん)によって起こります。

 直接的な接触: 水いぼがある人の皮膚と、他の人の皮膚が直接触れ合うことでウイルスが移ります。

 間接的な接触 :水いぼの中身(白い芯)がついたタオル、浮き輪、ビート板、衣服などを共有することで、間接的にウイルスが移ることもあります。

●プールについて

プールのお水を介してウイルスが移るわけではありません。プールに入ること自体は問題ありませんが、裸で肌が触れ合いやすかったり、タオルや浮き輪を貸し借りしたりする機会が多いため、プールをきっかけに移ることが多いと考えられています。

 

かかりやすい人とその理由

水いぼは、主に幼児から小学校低学年くらいまでのお子様に多く見られます。大人がかかることは滅多にありません。これには2つの理由があります。

・肌のバリア機能が未発達

子どもの肌は大人に比べて薄く、乾燥しやすいため、ウイルスの侵入を防ぐバリア機能がまだ未熟です。

・ウイルスに対する免疫(抵抗力)がない

大人の多くは、過去にこのウイルスと接触したことがあり、体の中にウイルスと戦う力、免疫を持っています。そのため、大人の皮膚にウイルスがついても水いぼにはなりにくいのです。お子様も、年齢が上がるにつれて自然と免疫を獲得していくため、成長とともにできなくなっていきます。

 

水いぼの治療法

水いぼの治療方針については、実は医師の間でもいくつかの考え方があり、患者様のご希望や生活環境に合わせて選択していきます。水いぼは、放置していても数か月から数年(およそ10ヶ月〜1.2年程度)で、免疫がつき、跡を残さず自然に消えていくことがほとんどです。そのため、無理に取らずに自然に治るのを待つことが多いです。しかし、「数が多すぎて保育園のプールに入れない」「かきむしってどんどん増えている」「お友達に移すのが心配」という場合は、医療機関で治療を行います。

当院で行っている主な治療法は以下の通りです。

 

外用薬(塗り薬)による治療

 ・保湿剤やかゆみ止め(保険) 

 水いぼの周りの乾燥からくる痒みによる掻き壊しをできるだけ防ぐため、保湿やかゆみ止めを使用します。

 ・mBF軟膏(自費) 

 銀イオンが配合された軟膏です。銀イオンのウイルスを抑える作用を利用し治療期間の短縮を狙います。1日2回、朝と入浴後に患部とその周囲に塗布し、数週間〜2か月で赤く反応し始めます。その後、少しずつ消退していきます。完治まで3〜6か月かかるとされています。顔や腕など日光が当たりやすい部位は夜だけ塗ります。

 ●ワイキャンス(保険)

今年の1月から保険治療になった病院で行う塗り薬の治療です。塗布し5~10分ほど乾かしてから、16~24時間後に洗い流します。3週間ごとに行っていきます。

※6月時点で当院未導入です。

 

専用のピンセットでの摘出法(つまみ取る方法)

昔から広く行われている一般的な治療法です。

方法: 水いぼ専用のピンセットを使い、いぼの根元をつまんで、ウイルスの塊を押し出します。

メリット:ウイルスを直接取り除くことができるため、治療した部位の早期治癒が望めます。

デメリット: つまみ取る際に、痛みと少量の出血を伴います。傷跡が残ることがあります。

麻酔: お子様の恐怖心や痛みを和らげるため、処置を行う前に麻酔テープ(ペンレステープ)を治療部位に貼り、痛みを軽減してから行います。

 

日常生活での注意点とお願い

ご家庭で過ごす際や、学校・園生活ではできるだけ広げないためにも以下のポイントを抑えることをおすすめします。

 かき壊さない工夫: 爪は短く丸く切っておきましょう。かゆみがある場合は、冷やしたり、保湿剤やかゆみ止めを塗ったりして、肌をかきむしらないように保護してください。

 タオルの共有を避ける:バスタオルやフェイスタオルは、ご兄弟姉妹別々のものを使いましょう。

 プール :水いぼがあるからといって、プールの水で移るわけではないため、法律などで学校やプールを休まなければならない決まりはありません。ただし、お友達と直接肌が触れ合わないよう、ラッシュガード(水着の上にきる長袖の上着)を着用をおすすめまします。

※園や施設によって独自のルールが設けられている場合がありますので、事前に確認されることをおすすめします。

 

治療については個人個人異なるかと思います。当院では、親御様のご意向とお子様にとってどれが適した治療をを一緒に考えていきたいと思います。「これは水いぼかな?」と少しでも気にかかるポツポツを見つけましたら、お気軽にご相談ください。

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