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粉瘤

粉瘤(ふんりゅう)について

「皮膚にぽっこりとしたしこりができた」「触ると小さなしこりがあるけれど、これって何だろう?」

このようなお悩みを抱えて来院される方はとても多くいらっしゃいます。その原因として、最も頻度が高いもののひとつが粉瘤(ふんりゅう)です。

粉瘤は決して珍しい病気ではなく、誰にでも、体のどこにでもできる可能性がある、ごく一般的な良性のできものです。良性のできものではありますが、自然に治ることはありません。時々細菌が感染して激しい痛みや腫れを引き起こしたりすることもあります。

 

 

粉瘤の症状について

粉瘤の初期症状は、小さなしこりです。

触ると皮膚の下でコロコロと動くような感覚があるのが特徴です。

主な症状や見た目の特徴には、以下のようなものがあります。

 

中央にある小さな黒い点(開口部)

粉瘤の多くは、しこりの真ん中あたりに黒い点のような小さな穴が見られます。これは、皮膚の表面と袋がつながっている出口(開口部)です。

ここから、袋の中に溜まった角質や皮脂が外に出てくることがあります。

 

独特のにおい

しこりを強く押し潰したり、何かの拍子に中身が飛び出したりしたとき、独特のにおい(チーズの強いにおいや酸っぱいにおいなど)がすることがあります。

これは、袋の中に長期間溜まっていた垢や脂が、細菌によって分解されるために発生するにおいです。

 

徐々に大きくなる

粉瘤は、数ヶ月から数年という長い時間をかけて、ゆっくりと大きくなる性質があります。最初は米粒くらいの大きさだったものが、大豆くらいになり、ときには10センチ以上の巨大なものに成長することもあります。

 

痛みと腫れ(炎症性粉瘤)

普段は痛みやかゆみはありませんが、細菌が入り込んだり、袋が皮膚の下で破れたりすると、急激に赤く腫れ上がって強い痛みが出ます。この状態を炎症性粉瘤(えんしょうせいふんりゅう)と呼びます。

炎症を起こすと、熱を持ってズキズキと痛み、中央からドロドロとした膿(うみ)と血液が混ざったものが出てくるようになります。

 

【補足:粉瘤ができやすい場所】

粉瘤は全身どこにでもできますが、特に顔(耳のうしろ、あご、頬)、首、背中、お尻などにできやすい傾向があります。

 

粉瘤の原因について

多くの方が「ニキビが大きくなった」「脂肪の塊ができた」と思われていることが多いのですが、粉瘤ができる仕組みはこれらとは異なります。

 

粉瘤ができる仕組み

人間の皮膚は、毎日新陳代謝を繰り返しており、古くなった皮膚は「垢(あか)」や「フケ」となって自然に剥がれ落ちます。

しかし、何らかの理由で皮膚の袋(本来は毛穴の一部など)が皮膚の内側にできてしまうことがあります。この「皮膚の下にできた小さな袋(囊腫=のうしゅ)」の中に、本来であれば剥がれ落ちるはずの垢(角質)や、皮膚を潤すための脂(皮脂)が外に出られず、どんどん溜まっていくことで粉瘤が形成されます。

つまり、中身は脂肪ではなく、自分の体から出た垢(角質)や脂(皮脂)なのです。

?なぜ袋ができる?

実は、なぜ皮膚の下にこのような袋ができてしまうのか、その明確な原因(根本的な理由)はまだ完全には解明されていません。

現在分かっているきっかけとしては、以下のようなものが挙げられます。

毛穴の詰まり

毛穴の入り口が何らかの理由で詰まり、そこが変形して袋になる。

小さな傷

打撲やケガ、虫刺され、あるいはニキビを潰したときの傷などによって、表面の皮膚の細胞が皮膚の奥に入り込んでしまい、そこで袋をつくる。

体質

体質的に粉瘤が多発することも見受けられます。

 

粉瘤の治療法

粉瘤は良性のできものであるため、今すぐ手術をしなければ命に関わるということはありません。

しかし、自然になくなることはないため治すためには手術で袋ごと摘出する必要があります。

 

大事なこと

絶対に自分で潰さないでください!

気になるからといって、指でギューッと押し潰して中身を出そうとするのは絶対にやめてください。

一時的に中身が出て小さくなったように見えても、皮膚の下にある袋(嚢腫)が残っている限り再発します。

無理に潰すと袋が皮膚の下で破れて周囲に細菌が入り込んでしまうと、痛みや腫れを招く原因になります。

 

当院では、患者様の粉瘤の大きさや場所、状態に合わせて、主に以下の治療方法を行っています。どちらの手術も局所麻酔(きょくしょますい=部分的な麻酔)を使用します。日帰りでの治療が可能です。(必ず次の日の再診が必要です)

 

摘出手術(てきしゅつしゅじゅつ)

袋を取り出す手術です。

粉瘤の大きさに合わせて皮膚を葉っぱ状の形に切開し、中の袋を破らないように丸ごと周囲の組織からはがして取り除きます。袋を取り出したあとは、皮膚を縫い合わせます。

袋を破らずに丸ごと取り出すため、取り残しによる再発のリスクが極めて低いです。当院では日帰り手術をおこなっております。

※粉瘤の直径とほぼ同じ長さの線状の傷跡が残ります。ただし、皮膚のシワの線に沿って切開するなど、できるだけ傷跡が目立たなくなるように縫合します。

切開排膿(せっかいはいのう)

赤く腫れて痛むとき(炎症性粉瘤)の緊急処置にあたります。

粉瘤が細菌感染を起こして赤く腫れ上がり、痛みが強い場合は、摘出手術(袋を取り出す手術)を行うことができません。なぜなら、炎症が強い時期は周囲の組織に感染が及び、袋が破れたり周囲にくっついてしまっていて綺麗に取り除くことができないからです。

この場合は、炎症を抑えるための緊急処置を行います。

方法としては局所麻酔後に粉瘤の上を少し切って、中に溜まった膿を外に出し、徹底的に洗い流します。治療後は圧迫感がなくなり、痛みは軽くなることが多いです。

抗生剤内服

切開に不安がある場合は、細菌を殺すための抗生物質の飲み薬で治療を行うこともあります。

 

感染性粉瘤の場合は、炎症が完全に治まり、皮膚の状態が落ち着いてからの摘出手術を計画をお勧めします。

 

「これって粉瘤かな?」「最近少し大きくなってきた気がする」と気付かれたら、ぜひご相談をお待ちしております。

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