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薄毛①(AGA)

AGA(男性型脱毛症)について

「最近、抜け毛が増えて髪のボリュームが減ってきた気がする……」「おでこの生え際が後退してきたような気がして、人の視線が気になる……」

このような髪の毛の変化にお悩みではありませんか?それはもしかしたら、AGA(エージーエー)かもしれません。

AGAは、成人男性にとても多く見られる髪の毛の悩みです。日本では、薄毛に悩む男性の多くがこのAGAであると言われています。放置すると徐々に髪の毛が減っていってしまうため、「気のせいかな?」と思う段階から、正しい知識を持って早めに対処することが大切です。

AGAとは?

Androgenetic Alopeciaの略称で、日本語では「男性型脱毛症(だんせいがただつもうしょう)」と訳されます。主に思春期以降の男性に起こる、進行性の脱毛症(髪の毛が抜けて薄くなっていく状態)のことです。

AGAの最大の特徴は、「放っておくとゆっくりと進んでしまう」という点です。自然に治ることは極めてまれで、何もしないでいると髪の毛のボリュームは徐々に減っていきます。

現代の医学では、AGAが起こる仕組みがかなり解明されており、効果的な治療法が確立されています。早めに気づき、適切なケアや治療を始めることで、進行を遅らせたり、髪の毛を元の健康な状態に近づけたりすることが十分に可能です。

AGAの症状について

AGAには、他の脱毛症(例えば、ストレスなどで突然丸く抜ける「円形脱毛症」など)とは異なる、特有の抜け方や変化のパターンがあります。

以下のようなサインに心当たりはありませんか?

 特徴的な「薄毛のパターン」

AGAの多くは、おでこの生え際や、頭のてっぺん(つむじ周り)から薄くなり始めます。具体的には、以下の3つのパターンが代表的です。

  • M字タイプ: おでこの左右の生え際から、奥に向かって剃り込みが入るように後退していくタイプです。

  • O字タイプ: 頭頂部(つむじの周り)から、円を描くように地肌が見えてくるタイプです。自分では気づきにくく、家族や合わせ鏡で指摘されて気づくことが多いです。

  • U字タイプ: おでこの生え際全体が、後ろに向かって全体的に後退していくタイプです。

※なお、耳の上や後頭部(後ろ髪)の髪の毛は、AGAの影響を受けにくいため、最後までしっかりと残ることがほとんどです。

髪の毛の「質の変化」

「髪の毛が抜ける」ことだけがAGAの症状ではありません。実は、「髪の毛が細く、短く、柔らかくなる」のも大きな特徴です。

  • 髪の毛のコシやハリがなくなる

  • 全体的にボリュームが出ず、髪型がセットしにくくなる

  • 新しく生えてきた毛が、うぶ毛のように細い。

 抜け毛のチェック

シャンプーの時や、朝起きたときの枕元に、細くて短い抜け毛が多く混ざっている場合は注意が必要です。これは、髪の毛が十分に成長する前に抜けてしまっているサインです。

AGAの原因について

なぜ、AGAになると髪の毛が薄くなってしまうのでしょうか?その原因には、男性ホルモンヘアサイクル(髪の毛の寿命)が深く関係しています。

分かりやすく3つのステップに分けて説明します。

原因①DHTの発生

私たちの体の中にはテストステロンという代表的な男性ホルモンがあります。これは本来、男らしい体つきや筋肉を作るための大切なホルモンです。

しかし、頭皮にある5αリダクターゼという酵素(体内の化学反応を助ける物質)とテストステロンが結びつくとジヒドロテストステロン(以下DHT)に変化します。このホルモンは生殖器形成や二次性徴などに重要なホルモンでもありますが、皮脂の分泌増加や前立腺肥大、脱毛シグナルを産生するなど髪の毛にとってはマイナス面のあるホルモンでもあります。

原因②ヘアサイクルの乱れ

健康な髪の毛は、生えてから太く長く成長し、やがて抜けて、また新しい毛が生えるというサイクルを繰り返しています。これをヘアサイクル(毛周期)と呼びます。

通常、髪の毛は2年〜6年ほどかけてじっくり成長します。しかし、先述のDHTが髪の毛の根元にある細胞に”早く抜けてしまいなさい”という命令を出してしまうと、この成長期が数ヶ月〜1年程度に極端に短縮されてしまいます。

その結果、髪の毛が太く長く育つ前に抜けてしまい、頭皮全体のボリュームが減ってしまうのです。

【用語解説】ヘアサイクル(毛周期)

髪の毛が生まれ変わる周期のこと。

  1. 成長期(髪がどんどん伸びる時期:通常2〜6年)

  2. 退行期(成長が衰える時期:約2〜3週間)

  3. 休止期(完全に成長が止まり、抜けるのを待つ時期:約3〜4ヶ月)

    AGAになると、このうち「成長期」が極端に短くなってしまいます。

原因③遺伝と生活習慣

AGAになりやすいかどうかは、遺伝的な影響が大きいことが分かっています。特に、5αリダクターゼの活性度(働きやすさ)や、男性ホルモンを受け取るセンサーの感度は遺伝しやすいため、「家族や親戚に薄毛の人がいる」という方は、AGAを発症する可能性が比較的高くなります。

また、睡眠不足、偏った食事、ストレス、喫煙などの不規則な生活習慣は、頭皮の血行を悪くし、AGAの進行を早める一因となります。

AGAの治療法

「遺伝なら諦めるしかないのか……」と思われるかもしれませんが、ご安心ください。現在のAGA治療は科学的に進化しており、医師の指導のもとで適切な治療を行うことで、進行を抑え、発毛を促すことができます。

当院では、患者様一人ひとりのお悩みやライフスタイルに合わせて、主に以下のような治療を行っています。

治療の種類 主な役割・効果 代表的なお薬・治療名
DHTを抑える AGAの進行を止め、現状を維持する フィナステリド、デュタステリド
血流を改善 血流を良くし、新しい髪の毛を生やす ミノキシジル
頭皮ケア・生活指導 髪の毛が育ちやすい土台(頭皮環境)を作る シャンプー指導、栄養・生活習慣のアドバイス

それぞれの治療法について詳しく解説します。

DHTを抑える(内服薬)

AGA治療の基本となるのは、毎日1回服用する飲み薬です。これらは「これ以上、髪の毛を減らさない(現状を維持する)」ための、治療薬です。

  • フィナステリド(先発医薬品名:プロペシアなど)

    • 効果: AGAの原因となる「5αリダクターゼ(II型)」の働きをブロックし、悪玉男性ホルモン(DHT)が作られるのを防ぎます。これにより、短くなっていたヘアサイクルが正常に戻り、抜け毛が減ります。

  • デュタステリド(先発医薬品名:ザガーロなど)

    • 効果: フィナステリドよりもさらに広い範囲の酵素(I型・II型の5αリダクターゼ両方)をブロックするお薬です。※妊活中の場合は使用を控えます

血流を改善(外用薬)

「すでに薄くなってしまった部分に、新しく毛を生やしたい」「ボリュームを増やしたい」というときに行う治療です。

  • ミノキシジル(塗り薬)

    • 効果: 頭皮の血行を良くして、髪の毛に栄養を届きやすくするお薬です。さらに、髪の毛を作る細胞(毛乳頭細胞)を直接刺激して、発毛を強力に促します。頭皮に直接塗るリキッドタイプ(外用薬)が一般的で、副作用が少なく安全性が高い治療法です。必要に応じて飲み薬(内服薬)を併用することもあります。

健康な頭皮を作るためのアドバイス

お薬の力を最大限に引き出すためには、髪の毛が育つ「土台(頭皮)」が健康であることも欠かせません。

  • バランスの良い食事: 髪の毛の材料となる「タンパク質」や、成長を助ける「亜鉛」「ビタミン類」を積極的に摂取しましょう。

  • 質の高い睡眠: 髪の毛を成長させる「成長ホルモン」は、睡眠中に多く分泌されます。

  • 正しいシャンプー: 頭皮の余分な皮脂や汚れを優しく洗い流し、清潔な環境を保ちます。

治療に関するQ&A(よくあるご質問)

Q. 効果はどれくらいで実感できますか?

A. 個人差はありますが、一般的には3ヶ月〜6ヶ月ほどで効果を実感される方が多いです。

髪の毛が生まれ変わるサイクル(ヘアサイクル)の関係上、お薬を飲み始めてすぐに髪の毛が劇的に増えるわけではありません。まずは数ヶ月間、焦らず毎日じっくりと治療を続けることが大切です。

Q. 治療は一生続けなければいけませんか?

A. AGAは進行性の症状のため、お薬をやめると再びゆっくりと元の状態に戻っていってしまいます。

残念ながら中止すると以前の状態にもどってしまいます。

Q. 副作用はありますか?

A. お薬ですので、副作用が起こる可能性があります。

例えば、飲み薬では性欲の減退や勃起不全、胃の不快感、塗り薬では頭皮のかゆみや赤みなどが報告されています。当院では、事前に医師が体質や健康状態をしっかりと確認したうえで処方いたします。また、治療中も定期的な診察や血液検査を行い、安全に配慮しながら治療を進めますのでご安心ください。

※妊活中の場合は必ずご相談ください。

 

髪の毛の悩みは、プライベートなことだからこそ、誰にも言えずに一人で抱え込んでしまいがちです。しかし、AGAは「医学的なアプローチで治療できる症状」です。

早く治療を始めるほど、髪の毛の受けるダメージは少なく、回復も早くなります。「最近ちょっと気になるな」という段階でも、お気軽にご相談ください。

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